自由自在に山を駆け廻るために!登山初心者から上級者へのステップアップ手順

効率の良いステップアップの順序とは?

私が山を始めた頃に、山の先輩から教わった山の世界を広げるためのステップアップの順序というのがあります。
その順序というのは・・・

①日帰り登山
②小屋泊・テント泊縦走
③雪山日帰り登山
④雪山小屋泊・テント泊縦走
⑤クライミング
⑥沢登り
⑦アイスクライミング


この順序で経験を積んでいくのが、一番効率的で安全なステップアップだと教わりました。

ある山の頂に立つ方法は1つだけではありません。
一般登山道、バリエーションルート、縦走、沢登り、クライミングなどいろいろな方法、ルートがあります。相応の技術と知識を習得し、実際に経験を重ねることで、まさに自由自在に山を駆け廻れるようになるのです。

自分自身もこれまで、この言葉に忠実に1つずつステップアップしてきました。
同じようにこれから自分の山の世界を広げていきたいと思っている方のために、それぞれのステップでどんなことを経験して覚えていけば良いのか?を私の経験も含め順にお伝えしていきたいと思います。

先ずは日帰り登山で山登りの基本を学ぶ

写真:尾瀬ヶ原にて(約10年前山登りを始めたころの1枚)

自分の体力を知る

ステップアップするにつれ、背負う荷物が増えたり、歩く距離が増えたりと、登山に必要な体力も増えて来ます。
自分はどのくらい歩けるのか?普段から「距離」、「標高」、「荷物の重さ」、「歩くペース」など、自分の体力を把握しておく必要があります。身の丈に合った登山を重ねる事で、少しずつ距離や標高を上げていきましょう。

自分もそうでしたが、特に登山初心者は無理をしがちです。
先ずは自分の体力の把握が大切です。

登山の基本を覚える

最初は2~3時間のハイキングから始めて、徐々に丸1日かけて歩くような本格的な登山に挑戦していきましょう。その中で、登山計画の立て方地図の読み方天気図の読み方適切な服装と装備の選び方など山登りの基本となる要素が沢山学べます。

これらの要素はどんな山に登るのにも必要ことです。
日帰り登山を繰り返していくうちに自然と身に付けていくことが出来ます。

また、色々な山を歩いて行く中で自分に合った登山の楽しみを見るける事もできるでしょう。

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小屋泊・テント泊縦走で山での生活を身に付ける

山小屋泊の楽しみとルール

写真:北アルプス 涸沢ヒュッテ

日本には山小屋が全部で約450軒あり、そのうちの約半数が無人の避難小屋、半数が営業小屋となっています。
それぞれの山小屋に違った雰囲気があり、窓から見える景色の違いや、小屋ごとに食事にもいろいろなので、旅館を巡るような気分で色々な山小屋に泊まってみるのも楽しいです。

楽しい反面、高所に建つ山小屋では水がとても貴重だったり、環境を守るためのトイレのルールがあったり、あまりスペースを取れないために他の登山者と並んで寝たりと、下界のホテルや旅館とは勝手が違うことがいくつかあるので、HPを良く読み、解らないことは事前に確認しておくことが大切です。

テント泊での生活に慣れる

写真:廻り目平キャンプ場にて(仲間とクライミングキャンプ)

テント泊を始めるにあたって、覚える事がけっこう沢山あります。
テント場でのルールやマナーテントの設営方法シュラフやスリーピングマットの選択食糧計画炊事飲み水の確保など、衣食住のすべてを自分でこなさなくていけません。

また、テント泊になると日帰り登山にくらべて、一気に荷物が重くなります。それを担いで歩けるだけの体力も必要になって来ます。なので、いきなり高山の険しいキャンプ場でのキャンプを経験するのではなく、比較的低地のキャンプ場で練習することをおススメします。

雪山日帰り登山で経験すること

写真:4月の谷川岳にて(西黒尾根から山頂を目指した)

雪の付いた山に対応する

・季節や地域による雪の変化を知る
 登山計画、必要な装備の選定、雪崩のリスク回避などに役立つ。
・アイゼン、ピッケルなど雪山装備の取り扱い
 装着方法や使い方、メンテナンスまで
・雪上歩行の技術
 アイゼンを履いての歩行や、滑落時の停止方法など。
・ルートファインディング
 基本的に登山道は雪に埋もれて見えないため、GPSや地図、コンパスの扱いに慣れる。
山行内容に合わせた服装と装備
 季節や標高、天候に合わせて何を着たら、持って行けばいいか判断できるように

夏の日帰り登山にくらべ、冬靴やアイゼン、ピッケルなど何かと装備が重たくなり、新雪でのラッセルなど体力的にハードになります。また、ウエアに関しても冷えに対する耐性に個人差があるので経験を重ねて自分の体を知って行く必要があります。

雪山小屋泊・テント泊縦走で経験すること

写真:八ヶ岳杣添尾根にてテント泊

雪上でのテント生活に慣れる

・氷点下の気温に対応するテント、シュラフ、マットなどの選定
 自分がどの装備でどこまで耐えられるのか知る事が重要。
雪上での炊事
 雪を溶かしての水作りなど無雪期とは勝手が違う事が多い。
・雪上でのテントの設営
 整地、設営、張縄、風よけブロックなど雪山特有の作業も。
・氷点下のテント内での生活
 登山靴を凍らせない方法、湯たんぽの作り方など細かなノウハウ。

雪山のテント泊になると、荷物が15キロ~20キロ近くになります。体力はもとより雪の状況にもよってはコースタイムの倍以上かかる事も。

クライミングで経験すること

写真:瑞牆山大やすり岩にて

クライミングに関しては、「クライミング」と一括りにしてしまって良いのか迷うくらい範囲が広く、覚える事、経験を積むことも沢山あります。

ボルダリングジムや屋外の岩で行う「ボルダリング」、クライミングジムや屋外の岩場(ゲレンデ)で行う「リードクライミング」、複数のピッチを登る「マルチピッチ」、岩の割れ目に手を突っ込んで登る「クラッククライミング」、クライミングを含むルートで山頂を目指す「アルパインクライミング」、この先で紹介する「アイスクライミング」もクライミングの仲間です。

「山を自由に駆け回る」ためには全部出来るようになるのが最終目標ですが、ここでは「ロープを使った登攀に関する技術の習得」と「ある程度の登攀力を付ける」ことを目的としたいと思います。

ロープを使った登攀技術を身に付ける

・クライミングジム・岩場でのルールやマナー
 クライマー一人一人が管理者の立場になって行動すること。
・ロープを使った安全確保技術
 クライマーの安全確保する技術や、クライマーとして支点を取りながら安全に登る技術を身に付ける。
・クライミングギアの使い方を覚える
 ハーネス、確保機、クイックドロー、ロープ、スリング、カラビナ、カムなどの扱い方を覚える
・マルチピッチを経験する
 沢登りやアイスクライミングで必要な要素が入っています。

登攀力を付ける

・ボルダリング、クライミングジムに通う
 登攀力を上げると一般的な登山においても、より安全な登山に繋がります。
・ボルダー、岩場(ゲレンンデ)に通う
 外に出て実際の岩場で経験を積むことも重要です。

自分自身も昨年秋に北鎌尾根を歩きましたが、ある程度クライミングをやっていないと厳しいと感じる場面が多々ありました。岩場が安定して登れるようになるためにも登攀力を上げる事は重要です。

沢登りで経験すること

写真:橋倉沢にて(まるで日本ではないような景色が続きます)

・沢登り用の装備と服装
 登山と違い「沢タビ」を履いたり、濡れても冷えにくいウエアを着込みます。
・巻き道を通る
 登れない滝を横から巻いて通過します。巻き道の方が怖かったりもします。
・藪漕ぎ
 沢から尾根に出る際に藪を突破することがあります。
・下山時のルートファインディング
 一般的な登山道に比べ踏み跡が薄く、獣道とも区別がつかずに迷いやすい。
・その場に有るもので何とかする
 ボルトなどの人工物が少ないため、沢沿いに生えている木や、岩などで支点を作るなどの工作が必要になります。

沢登りを始めると、フリーソロで登る事に徐々に慣れていきます。

アイスクライミングで経験すること

写真:八ヶ岳広河原左俣にて(初めてのアイスルートでした)

いよいよ最後のアイスクライミングです。
登山の基本はもちろん、雪山を歩くための知識、体力、クライミングのロープワーク、登攀力、凍った沢を進むための沢登りの経験など、今まで経験してきたこと全ての要素が詰まったクライミングになります。

・アイスクライミングの装備に慣れる
 アイスバイル、スクリュー、1本爪アイゼンなどアイスクライミング特有のギア。
バイルを使った登攀力
 一般的なクライミングの登攀力とはまた違った難しさがあります。

まとめ

いかがだったでしょうか、私自身山登りを始めて約10年経ちますが、まだまだ経験を積んでいる途中です。
ここで紹介したジャンルを全部やろうと思うと時間が足りないです。

色々と経験していくと、徐々に個人個人の好みが分かれ、クライミング、沢登、藪岩、トレランなどに特化していくことが多いです。春秋は沢登り、冬はアイスと山スキー、夏はアルパインと季節によって山を楽しむ人もいます。

楽しさに身を任せて登り続ければ、いつの間にか色々出来るようになります!皆さんもぜひステップアップを重ねて、山を駆け廻りましょう!