初心者にも良くわかる登山計画を立てる手順とコツ、登山届の書き方も

山登りを始めてみよう!と思ったら最初は、高尾山(東京都八王子市)、大山(神奈川県伊勢原市)、筑波山(茨城県つくば市)などロープウェーなどの乗り物が利用でき、観光地として訪れる人も多く人気がある山から始める事をおススメします。

本格的に登山を始めるのであれば、必ず「登山計画」を立てるようにしましょう。本来はとても楽しい登山ですが、行き当たりばったりの怪我や病気、道迷いなど思わぬトラブルに遭遇することもあります。

私の山仲間の間では「家に着くまでが登山 !」と良くいいます。楽しい山歩きの時間を安全に過ごすための「登山計画の立て方」を私なりにまとめてみました。

最後に登山届の書き方も記載しましたので、自分のため、家族のため、山仲間のために必ず登山届を提出するようにしましょう。

登山計画の手順

  1. 気になる山をリストアップ
     ガイド本や雑誌などで気になる山を探す
  2. コースを把握する
     コースタイムと岩場、鎖場などの危険個所を把握
  3. メンバーの体力と技量で山を決める
     メンバー全員が問題なく歩ける山を選ぶ 
  4. どうやって行くか決める
     自家用車、レンタカー、電車、バスなど
  5. 登山計画表を作成してメンバーに回覧
     WEBサービス「コンパス」が便利

気になる山・登りたい山を探してリストアップ

先ずは登ってみたい山、気になる山をリストアップします。

私が一番よく使うのは、色々な山の登山ルートが紹介されている、いわゆる「ルート本」です。書店に行くと「アウトドア」のコーナーに登山やトレッキング関連の雑誌や書籍が並んでいます。山岳地図やルート本の類は「地図」のコーナーに置いてあることもあるので探してみて下さい。

山仲間から「○○山に行かない?」と誘われることもあります。そんな時も必ず1度自分で登山計画を立てます。誘って来た友人も計画を立てているので、お互いに話し合って最終的な計画を決めています。

あとは、山道具店のスタッフさんから話を聞いたり、山の先輩に相談したりして面白そうな山を探すこともあります。

ガイド本

山登りを始めた頃はソロ登山がメインだったので、「関東周辺の山登り」と「駅から山登り」という本をパラパラめくりながら、載っている写真やコースタイムなどを参考に選んでいました。

最初は沢山あってどの山が良いのか良くわからないと思うので、掲載されている写真だったり、「大展望の○○山!」みたいなキャッチフレーズが気になった山で選んで良いと思います。

こういった類の本に載っている山やコースであれば、週末には登山者も多く登山道も明瞭で初心者でも登りやすい山が多いです。

更に入門的な山に的を絞った本だとこちらがおススメです。
全く初心者の家族を連れて山に行くようになった時に、何度もお世話になりました。

雑誌

雑誌でも初心者向けの山の特集がされたりします。モデルさんや山の達人さんが実際に歩いた記事などはとても参考になります。ただし、記載されている地図などは簡易的な物が多いので注意が必要です。

本をパラパラとめくって、気になる山が出て来たらリストアップしておきましょう。

経験者に相談する

初心者の方は、慣れるまではこの方法が一番良いと思います。

回りに経験者がいれば良いですが、いなければ山道具店のスタッフさんでもいいと思います。「カモシカスポーツ」や「モンベル」のスタッフさんは実際に山に登っている方が多い印象なのでおススメです。

私のおすすめする初めての山選びも参考までにどうぞ。

初めての山選び

ルートの把握・コースタイムと危険個所を調べる

気になる山をリストアップしたら次に、コースタイムと危険個所を調べます。この時点では、ザックリとした工程と、危険個所の難易度が把握できればOKです。

※ルート本に載っている地図でも登山は可能ですが、簡略化された物が多いので出来れば「山と高原地図」のようなしっかりとした地図を用意しましょう。

今回は初心者向けの「筑波山」を例にしてみたいと思います。

画像:筑波山(山と高原地図より)

コースタイムを調べる

筑波山神社から女体山、男体山を通り、再び筑波山神社へと下る「周回コース」です。

筑波山神社(1:10)⇒弁慶七戻石(0:50)⇒御幸ヶ原(0:15)⇒男体山(0:10)⇒御幸ヶ原(1:10)⇒筑波山神社

それぞれのタイムを合計すると、3時間45分 
これに休憩時間を1時間足して、4時間45分、約5時間の登山になると想定が出来ます。

といった感じでザックリしたイメージを付けます。

ステップアップ「自分のペース」を把握する
何度も登山を繰り返しながらコースタイムに対して自分がどの位の速さで歩けるのか、「自分のペース」を把握しましょう。早い人ならコースタイムの0.7~0.8倍、ゆっくりな人ならコースタイムの1.2~1.3倍など自分のペースが解ってくれば、より精度の高い計画が立てられるようになります。


危険個所を調べる

地図を眺めながらコースタイムを足していくと、ルートの途中に「危」のマークや、「鎖場」、「ハシゴ」、「道迷い」などの表記が出てくるのに気づくと思います。

今は「ヤマレコ」や「ヤマップ」など、ネット上にも沢山の山行日記が載っていますので、調べてみると地図だけではわからない、危険個所の実際の写真や、地図にない「難所」の情報も知る事が出来ます。

☆ステップアップ 「自分の技量」を把握する
コースタイムと同様に、技術的な部分も登山を繰り返しながらどの程度までの岩場なら大丈夫なのか?など自分の技量を把握していくことが大事です。初めは簡単な山から少しずつ難易度を上げていきましょう。

メンバーの体力と技量で山を決める

登山ルートのコースタイムと危険個所を調べたら、一緒に行くメンバーが問題なく歩けるのかどうかを判断します。

と言っても、本当にはじめての場合は全く分からないと思うので、登山経験者に相談するか、お願いして一緒に行ってもらうのがいいと思います。経験者と一緒に行くことで、その場その場で色々と学べることが多いので、非常におススメです。

ある程度慣れて来ていれば、この時点で一緒に行く仲間にLINEなどを使って大体の工程をシェアして意見を募ります。不安を感じるメンバーがいれば、ルートを変えるなどして対応します。

☆ステップアップ 「仲間の体力・技量」を把握する
自分だけでなく、仲間の体力や技量についても把握していくことが大事です。よく一緒に行くメンバーであれば、問題ないと思いますが、SNSなどで集まった即席のパーティーでは互いの力が解らないまま行先や日程が決まりがちなので注意が必要です。必ず自分の登山経験などをリーダーに伝えるようにしましょう。

■初心者向けの山の選び方についてはこちらの記事にまとめてあります ↓↓↓

交通手段を決める

目的の山が決ったら、次に登山口までの交通手段を決めます。交通手段が決るとおのずと登山開始予定時刻と下山予定時刻が決まってくるので、具体的な登山計画が立てられるようになります。

車で行く

写真:小川山 廻り目平キャンプ場にて

車で行くときのメリットは、何と言っても時間が自由になる事です。

家を朝3時出発で8時に登山開始とか、前日夜23時発で登山口に翌2時着で仮眠をとって5時に登山開始といったパターンが可能です。帰りに美味しいレストランに寄ったり、日帰り温泉を楽しんだりといった楽しみ方も出来ます。

その反面、長距離の運転は登山前にも体力を奪われますし、帰りは登山の疲れも相まって居眠りの危険性もあるので、途中のSAでの休憩も計画に入れておきます。

メリット
・入山時間、下山時間が比較的自由に決められる。
・乗合をすれば交通費が安く済む。
・帰りの温泉や食事なども自由に移動可能。

デメリット
・運転がつらい(特に帰り)。
・一人だと交通費が高くつきます。
・渋滞、故障、パンクなど遅延リスクが高い。
・駐車場が混雑して停められない場合も。
・林道が狭かったり、悪路の場合がある。
・入山口と下山口が違う場合に回収が大変。

☆ポイント 
大雨の後などには林道が崩れて通行止めになる場合もあるので、前もって知られべておきましょう。山奥ではJAFを呼んでも来るまでにかなり時間がかかるので、パンク修理キットやジャンプスターターも車に積んでおくと便利です。

電車・バス・タクシーで行く

写真:上越線 土樽駅にて

電車やバス、タクシーのメリットは運転しなくていいのでとても楽なこと。下山後にビールを飲みながら電車に揺られて・・・なんてのは最高です♪

その反面、運行本数や始発、終発の時間に縛られ、スタート時間が遅くなったり、下山を急がないといけなくなったりと、何かとあわただしくなることも。

メリット
・遅延のリスクが比較的少ない。
・乗りさえすれば必ず着くし帰れる。
・下山後にビールが飲める。
・入山口と下山口が違う山行計画が立てやすい

デメリット
・乗り物の運行時間や本数に縛られる。
・始発と終発の時間に縛られる。
・事前に予約が必要な場合もある(夜行バスやタクシー)。
・大荷物を背負って街中を歩かなくてはいけない。

☆ポイント 
土日や平日、夏休み、盆休みなど時期によって時刻表が変わる事があるので注意が必要です。また万が一乗り遅れた場合のタクシーの連絡先も控えておきましょう。

登山計画書を作成する

交通手段まで決まったら、登山計画書を作成します。
ネットで「登山計画書 」と検索すると沢山の様式が出て来ますが、記入する内容は大体同じです。

登山計画のを立てる時のポイント

・入山予定時刻と下山予定時刻

途中でトラブルが合っても対応できるように、陽が登り明るくなり始めたタイミングで登り始めて、遅くても午後15時、余裕を持って午後14時頃には登山口に戻っている計画を立てています。

一般的に日没の1時間前くらいから徐々にあたりが暗くなり始め、日没後30分~40分ほどで真っ暗になります。特に初心者の山歩きでは、あたりが暗くなととても危険です。ヘッドライトを付けたとしても足元が見えずに転倒したり、暗闇で分岐点を見過ごす可能性も高くなりとても危険です。

先に決めた交通手段の影響で、スタート予定時間・下山予定時間が遅くなってしまう場合には、交通手段を見直すか、短いルートに変更するなどの必要があります。

・コースタイム

コースタイムは一番体力の無いメンバーに合わせて考えています。歩くのが遅くなったメンバーは気を使って「先に行って~」と言いがちですが、山の中ではぐれると携帯が通じない場合に連絡の取りようが無くなりとても危険です。皆で合わせて歩けるコースタイムを設定しましょう。

☆計画のポイント
・スタート時間は出来るだけ早い(日の出に合わせる)方が良い。
・下山予定時間は日没まで余裕を持って14時~15時まで。
・コースタイムは一番体力のない人に合わせて計画しましょう。

登山計画書・登山届の記入

下の画像は、長野県の登山計画書の記入例です。

☆記入のポイント 
緊急連絡先
ここの記載が無いと何かあった時に家族への連絡が付きません。ケガの様子や搬送先の病院を伝えたり、アレルギーの有無や手術歴など家族に確認が必要な場合も出て来ます。

山岳保険
遭難の捜索・救助費用は、地元山岳会など民間の人員が捜索にあたった場合、捜索員1名に付き日当3万円~5万円で、6名~8名の捜索員が救助に向かうと30万円~40万円ほどの請求があります。また、民間の救助ヘリが飛ぶと1回に付き100万円~費用がかかります。1日で見つかれば良いですが、捜索が数日に渡った場合にはかなりの額になります。山岳保険はこれらの費用をカバーするもので、「モンベル」や「JRO」などで加入する事が出来ます。

エスケープルート
エスケープルートの欄には、「○○尾根にて下山」などと具体的なルートを書いてもOKですし、エスケープルートが無い場合には、「○○時をタイムリミットとして山頂に到達しない場合にはその地点から引き返す」などの記載でもOKです。

登山届の提出先

・地元の警察署または、登山口のの登山届用ポストへ1枚
・家族や友人へ1枚
・自分用に1枚持っておく

登山計画書の作成・登山届の提出は「コンパス」が便利

私の場合は「山と自然ネットワーク コンパス」とうWEB上で登山届(計画書)の作成・提出が出来るWEBサービスを使っています。

登山届の内容がWEB上でフォーマットになっていて、順番に記入していけば登山届が作成できます。LINEやメールでメンバーに回覧し、計画について事前に話合って計画を詰めていきます。最終的に計画がまとまったら、WEB上でそのまま登山届として提出でき、メールで家族や友人にも共有できるので、紙での届の提出が不要になりとても便利です。

まとめ

最初は登山のシュミレーションといっても中々イメージが湧かずに難しいことも多いかと思います。

そんな時は登山経験者に相談してみるのがいいと思います。身近に良い無ければ、山道具店のスタッフさんとかボルダリングジムのスタッフさんも山登りをする人が多いので色々教えてくれると思います。

自分自身で計画⇒実行を繰り返していけば、徐々に精度の高い計画が立てられるようになってくるので、簡単な山でも練習だと思って計画を立てるようにしましょう。


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