雪山で使っているソックス比較レビュー
雪山で一番寒くなるところ、それは足先!靴の保温性、靴のサイズ、中敷きなど色々な要因があると思いますが、先ずは良い靴下を選びましょう!暖かく、かいても蒸れず、しかも早く乾くのが理想の雪山用の靴下です。初心者の方の靴下選びの参考になればと思います。
比較アイテム紹介
登山用の靴下と聞いて最初に思い浮かべるのは、どのメーカーでしょうか?私は「スマートウール」が最初に思い浮かびます。どの山道具屋さんにも大体置いてある定番です。
初心者の頃、最初に買った登山用の靴下も「スマートウール」でした。その後、靴の中でズレてくるのが気になって、フィット感重視の靴下を探して見つけたのが、「フィッツ」のソックスでした。
更に、とある山道具の比較アイテムレビューで見かけたのが、「キャラバン」のソックス。安くて、暖かくて、フィット感も良いとの評判が気になって購入しました。
今回は、「スマートウール」、「フィッツ」、「キャラバン」の3メーカーの靴下を比較レビューしていきます。
スマートウール マウンテニアリング
ブランド | スマートウール |
商品名 | マウンテニアリング |
素材 | ウール74%、ナイロン25%、ポリウレタン1% |
メーカー説明 | マウンテニアリングは最も厚い モデルで、クッションは内部全体にわたり、ヘビー クルーよりも起毛の毛足が長くふっくらとしています。 ・フラットニットトーシーム ・スマートフィットシステム(土踏まずと足首をサポート) |
最初に紹介するのはアメリカのブランド「スマートウール」の厚手の登山用ソックス。スマートウールのハイクシリーズ(登山用ソックスシリーズ)で最も厚手のアイテムです。
ふっくらとした履き心地が特徴の靴下です。
フィッツ ヘビーエクスペディション ブーツ
ブランド | フィッツ |
商品名 | ヘビー エクスペディション ブーツ |
素材 | メリノウール74%、ナイロン13%、アクリル8%、 ポリエステル3%、ライクラスバンデックス2% |
メーカー説明 | 23μmのウールを使った丈夫さが強みの厚手ソックス。 高さのあるパイル編みを裏面に施し、最もクッション 性と保温性に優れます。ハードな登山靴と相性が良く、 冬季登山にもおススメです。 特徴:保温、消臭、湿度調整、クッション |
次は、こちらもアメリカのブランド「フィッツ」の最も厚手の登山用靴下。踵やつま先がピタッとフィットする、フィット感が特徴の靴下です。
キャラバン メリノウールパイルソックス
ブランド | キャラバン |
商品名 | メリノウールパイルソックス |
素材 | メリノウール69%、ナイロン23%、ポリウレタン8% |
メーカー説明 | 履き心地の良さと耐久性をそのままに、かかとから 履き口までの丈をより長くし、履き口まわりにアク セントラインをあしらいました。裏面をパイル編み にした厚手の仕上がりはクッション性が抜群。表面 は微起毛感があり、メリノウールならではの優しい 風合いをお楽しみいただけます。 |
3つ目は、日本の登山用品メーカー「キャラバン」のソックス。裏返した時のウールの密度が高いのが特徴で、フィット感もなかなか良い。
比較レビュー
先ずはフィット感に関する比較をしていきます。
踵・土踏まずの形状

上から順に、「キャラバン」、「スマートウール」、「フィッツ」
見て分かるように、フィット感が売りの「フィッツ」は踵の形状が他の2つとは明らかに違い、いかにもフィットしそうな形状です。
「キャラバン」がやや踵に膨らみがあり、「スマートウール」はほぼ真っすぐ。
土踏まずについても、「フィッツ」は踵の少し前あたりに伸縮性のニットが織り込まれていてフィット感が高い。次に「キャラバン」も土踏まずに伸縮性のニットが使われていてしっかりと締まる印象。「スマートウール」はここでもストレート構造でした。
つま先の形状

左から順に、「キャラバン」、「スマートウール」、「フィッツ」
「フィッツ」は青い部分が伸縮素材になっていて指の付け根辺りがキュッと締まる形状になっています。また、足指の形状に近いのも「フィッツ」が一番、次に「スマートウール」、「キャラバン」の順。
ちなみに、「フィッツ」、「スマートウール」には左右の分けがありますが、キャラバンには無し。
履き口の形状



左から順に、「キャラバン」、「スマートウール」、「フィッツ」
ここでも一番右の「フィッツ」がリブ編みの伸縮性のある部分が大きく、フィット感が高い。次いで「キャラバン」、「スマートウール」の順。
次に暖かさやクッション性に関する比較をしていきます。
パイルの太さ比較

左から順に、「キャラバン」、「スマートウール」、「フィッツ」
パイルが太いのが、真ん中の「スマートウール」、次が右の「フィッツ」、一番細いのが「キャラバン」の順。
パイルの密度比較



左から順に、「キャラバン」、「スマートウール」、「フィッツ」
パイルの密度については、細いパイルで目が詰まっている「キャラバン」、太いパイルが比較的密に編まれている「スマートウール」、中太のパイルで比較的隙間が見える「フィッツ」の順。
裏返して足裏の比較

左から順に、「キャラバン」、「スマートウール」、「フィッツ」
「フィッツ」はつま先と踵に伸縮性のあるパイルが編み込まれていて、その部分も含めて足首から足の甲側と同じ生地で足裏まで作られています。
「スマートウール」は、足首や足の甲より、パイルの密度が少ない生地が裏側に使われていました。
「キャラバン」は、土踏まずの回りだけは伸縮性のパイルが編みこまれていて密度が高いですが、やはり足首や足の甲の生地よりも、パイルの密度が低い生地で作られていました。
実際に履いてみての評価
今まで使って来た経験をもとに、自分の感覚で、それぞれの項目について順位付けをしました。
キャラバン | スマートウール | フィッツ | |
フィット感 | 2 | 3 | 1 |
クッション性 | 2 | 3 | 1 |
保温性 | 1 | 2 | 3 |
※1が一番高評価、3が一番低評価。
フィット感
名前の通り「フィッツ」が一番いいです。キャラバンも土踏まずと足首の伸縮素材のおかげで履いていてもズレる事はありません、スマートウールは歩いている途中で踵がずり上がって不快な事が何度かありました。
クッション性
足裏のパイルの密度のおかげか履いていて一番クッション感が得られたのは、「フィッツ」でした。次点で比較的パイル密度の高い「キャラバン」、パイルは太くても足裏の密度が低い「スマートウール」が3番目。
保温性
靴下の保温性を決める要素は何か?というのはとても興味があるところでしたが、今回の比較結果からすると「パイルの太さ」と「パイルの密度」が関わって来る様です。
一番は「キャラバン」で細いパイルが密に編まれているのが特徴でした、次点が「スマートウール」で太いパイルが比較的密に編まれていました。3位は「フィッツ」でフィット感を重視した作りのためかパイルの密度が比較的低くこのような結果になりました。
結果まとめ
結果をまとめると以下の通り。
キャラバン | スマートウール | フィッツ | |
踵・土踏まずのフィット | 〇 | △ | ◎ |
つま先のフィット | △ | △ | ◎ |
履き口のフィット | 〇 | △ | ◎ |
パイルの太さ | 細い | 太い | 中間 |
パイルの密度 | 高い | 中間 | 低い |
足裏のパイル密度 | 〇 | △ | ◎ |
フィット感 | 〇 | △ | ◎ |
クッション性 | 〇 | △ | ◎ |
保温性 | ◎ | 〇 | △ |
雪山登山で一番のおすすめソックスは、「キャラバン メリノウールパイルソックス」です。
保温性はNO1、フィット感、クッション性も「フィッツ」に次いで良く、総合的にスペックの高いソックスと言えます。
次点が、「フィッツ」です。
保温性は3位でしたが、フィット感、クッション性共に最も高評価で、履き心地を考えると「フィッツ」が一番快適に履けるソックスと言えます。厳冬期以外の雪山で使うには一番おすすめです。
残念ながら3位になったのは「スマートウール」。
冒頭に書いたように、雪山用の靴下と聞いて一番い思い浮かべるブランドだった「スマートウール」が最下位という結果に。パイルが太いので履いた時の柔らかさや肌触り保温性は良いものの、フィット感に難ありでした。
ここで紹介した以外にも、まだまだ様々な靴下があり、それぞれに違う特徴をもっていると思います。
今回の比較を通して、靴下を見る上で重要なのは、「裏返して見ること」の様に今回感じました。下手をすれば指先の凍傷の原因にもなりかねない重要なアイテム選びですので、お店で選ぶときも裏返して中の構造を確認しましょう!
ただ、お店の人には嫌がられるかも知れませんが・・・(汗)
では、雪山用厚手靴下比較レビューはここまで。
この記事が、少しでも皆さんの靴下選びの参考になれば幸いです。