ブラックダイヤモンド、メトリウス、ペツルのセルフビレイ用スリング・コード、パーソナルアンカーシステム(PAS)の比較レビュー

PAS(パーソナルアンカーシステム)

メトリウス アルパインPAS

ペツル コネクトアジャスト

私が使っているPASです。
末端をハーネスのタイインループかビレイループにタイオフしておいて、カラビナはラックに掛けておきます。

いつでもサッと取り出せて、すぐに掛けられるのが良いところ。終了点などで短く調整したい場合は、よりビレイループに近い方の輪っかをカラビナに掛けて調整します。

スリングで作ったり、ヌンチャク(クイックドロー)で代用したりも出来ますが、危険個所のトラバース、岩場で上に回り込んで支点構築する際の確保など、パーソナルアンカーシステム(PAS)の方が使える範囲が広いので、1本持っておくことをおススメします。

PASの代表的なアイテムを比較

山道具屋のスリング売り場に行くと一緒に並んでいる、パーソナルアンカーシステム(PAS)ですが、メトリウスとBDはパッと見ただけでは、何が違うのか全く分からないと思います。

また、ペツルのコネクトアジャストも、初めて見た時はそもそもPASなのかどうかすら解りませんでした(笑)

メトリウスのアルパインパス、ペツルのコネクトアジャストを使っている筆者が、他のモデルも含めてそれぞれの特徴と違いをまとめてみました。

ダイニーマ製

スリングに良く使われているダイニーマ素材のPASです。

アイテムによって微妙に強度に違いがあり、セルフビレイ専用のモノと、支点の構築にも使えるモノと2種類あります。

メトリウス アルパインパス  

材質11mmダイニーマ®スリング強度14kN
全長93cm重量50g

すべてのリングの強度が14kNで軽さを優先したPAS。
スリングの強度が22kNなので静荷重しかかからないセルフビレイの用途に使うにはまったく問題のない強度です。

メトリウス パス 22

材質11mmダイニーマ®スリング強度22kN
全長96.5cm重量93.5g

メトリウス アルパイン PASのゴッツイ版です。
すべてのリングにスリングと同じ22kNの強度があるので、終了点でそのままビレイポイントとしても使えます。強度は高いですが、そのぶん倍近く重いです。

支点の構築にスリングで慣れてしまっている事もあり、今の時点でコレを使うことのメリットは感じていません。

ブラックダイヤモンド リンクパス

材質10mmダイネックス製(ダイニーマ)強度22kN
全長87.5cm重量58g

ブラックダイヤモンドのPAS。
おそらく発売が一番後だったと思うのですが、後だしジャンケンで良いとこどりしてます。

リング自体が10mmとメトリウスより1mm細いのと、全長が5.5㎝~9㎝メートル短いので、すべてのリングが22kNの強度を持っていますが、58gと軽量です。

いちばん軽いメトリウスアルパインパスと比べて8gの差。
22kNはセルフを取るだけなら必要のない強度ですが、いざという時に使える幅が広がるので、この重量差であればこちらを持っていた方が◎。

あとは5㎝~9㎝ほど短いのが実際に使ってみて気になるかどうか。
実際にアルパインパスを使っていて短くして使った事はありますが、長さが足りなくて困ったり、もう少しながかったらなぁ・・・という場面に遭遇したことはないので、問題はなさそうに思います。

今のがダメになったらこっちに買い替える予定です♪

ダイナミックロープ製

クライミングロープと同じダイナミックロープ(伸びて衝撃を吸収するタイプのロープ)を使ったPASです。

ダイニーマが全く伸びないのに対して、ある程度伸びるのが特徴です。

メトリウス ダイナミックパス

Amazon

国内ではほぼ売り切れです。(21’2.15現在)Amazonに一応ありますが海外からの取り寄せで高いです。定価で欲しいなら国内に入荷するまで待った方がいいです。

材質ダイナミックロープ強度15kN
全長96.5cm重量120g

メトリウスのダイニーマでのはなく、ダイナミックロープ(伸びて衝撃を吸収するタイプのロープ)を使った、PASです。

うたい文句は、「通常のPASに比べ衝撃吸収性能が高いので、衝撃時に支点や自分への負担を抑えます」です。

PASでセルフを取った状態でそこまでPASに衝撃が加わったのは、いままでの経験ではマルチピッチでクライマーがガチ落ちしてきたときしかありません。

その時はマルチピッチでのビレイ中にクライマーがプロテクションの感覚がかなり空いた場所で落ちてしまい、それを止めた衝撃で自分の体が浮き上がり支点にPASでとっていたセルフが下向きに効いて止まりました。

これはかなりの衝撃だったので、ダイナミックPASだったらクライマー、ビレイヤー共に衝撃を受ける度合いが減ったかも知れません。

しかしこういった状況はかなり稀だと思います。
支点構築には向かない15kN(セルフ用には十分)の強度と、120gという重さを考えると、イマイチ用途が解らず購入には至っていません。

ペツル コネクトアジャスト

材質ダイナミックロープ強度15kN(静荷重)
全長15cm~95㎝重量125g

新しいタイプのPASです。

特徴はカラビナ側の調整器「アジャスト」が付いていることで、長さを無段階に調整出来るところ。

今まで輪っかの掛ける場所を変える事で長さの調整をしていたところが、反対側のロープを引く事で調整出来ます。

素材も見た目の通り、ダイナミックロープが使われていてメトリウスダイナミックパスと同じく衝撃が加わった時に伸びて衝撃を緩和します。

マルチで実際に使ってみて

何度かマルチピッチで使ってみましたが、ロープを引くだけで長さの調節が出来るのはすごく楽でした。

またリングを連ねたタイプのものだと、調整するためにカラビナを開けないといけませんが、その必要もないので安全性の面でも有効です。

逆にデメリットに感じたのは、メトリウスアルパインパスと比べてしまうとやはり重く、リングを掛けて短くしてラッキングすることも出来ず携帯性の面でも「う~ん・・・」という感じでした。

また、ロープを短くするときはPASにテンションがかかっていても出来ますが、元の長さに戻す時はテンションを抜かないと戻せません。
(片手でホールドを持って、テンションを抜いて反対の手で調整器を奥に倒して自分がしゃがみ込んで伸ばします)

全体的に慣れてしまえばってところもある感じですが、今のところはマルチには軽さが決め手でメトリウスアルパインパスがメインになっています。

ジムや岩場での使い方(注意が必要です)

ペツル公式サイトでは、支点より低い位置で使用してくださいと明記してありますが、強度を説明するページでは上からの落下も想定した強度が掲載されています。

実際に山仲間が良くやっているのは、核心部の手前でコネクトアジャストでセルフを取って、セルフを取ったまま次のホールドやムーブを探りにピンより上に登って行くという使い方です。

次のピンに掛けれそうなら、そのままセルフを外して次のピンに掛けてしまってからヌンチャクとメインロープを掛けて登って行きます。

限界グレードに近いルートを探りながら登る時の使い方です。

これだと落ちる距離も、アジャストコネクトの長さ分とハッキリ把握でき、ビレイもメインロープとの併用になるので衝撃の分散にもなるので、クライマーとしては安心感があります。

推奨された使い方では無いのでビミョーなところ(自己責任でお願いします!
)ですが、強度的に問題はなさそうですし、ダイナミックロープである必要が感じられる使い方でもあります。

使い方は自己責任でお願いします!

まとめ

メトリウス
アルパインPAS
メトリウス
PAS22
BD
リンクPAS
メトリウス
ダイナミックPAS
ペツル
コネクト
アジャスト
素材ダイ
ニーマ
ダイ
ニーマ
ダイ
ニーマ
ダイナ
ミック
ダイナ
ミック
長さ93㎝96.5㎝87.5㎝96.5㎝15~96㎝
強度14kN22kN22kN15kN15kN
重量50g93.5g58g120g125g

という事で、各種パーソナルアンカーシステム(PAS)を見て来ましたが、やはり後だしジャンケンのBDのPASが一番良いのと思います。

ダイナミックロープを使った物は、もう少し有利な点が解れば使ってみたいなと思っていますが、いまのところは様子見です。

・おススメは、強度と重量のバランスが取れた
ブラックダイヤモンドリンクPAS!

・1gでも軽くというのであれば

メトリウスアルパインPAS!

・ダイナミックロープを使った2種類は
今のところ様子見!