初心者にも良くわかる!登山・クライミングハーネスの選び方ハーネスを買う前に覚えておきたい基礎知識      

今回はクライミングハーネスの選び方について解説します!

山道具屋さんに行くとクライミング用品コーナーにネット状の袋に入ったハーネスが、吊り下げか、平置きされて販売されていますが、おそらく初めて見ても何が何だか全く分からないと思います。

・初めて見た時に「全然わからん・・・(汗)」とならないように
・店員さんに相談する時にもある程度の知識が入っていた方が話しやすい

難しいところは飛ばして基礎知識的なところを書きたいと思います。

ハーネスの種類

ハーネスは、主に高所からの落下を防止するために体に装着する器具です。
最近流行りのジップラインや、バンジージャンプ、ビルの窓掃除、レスキュー隊、送電線の工事、林業などでも日常的に使われています。

(業務用・作業用・レスキュー用には写真:左のフルボディタイプの物が多く使われる)

その中でも、クライミングや登山では「シットハーネス」と呼ばれる下半身に履いて装着する「スポーツ用」の物(写真:中)を使用します。

(販売されている数は少ないですが全身に装着する子供用の「フルボディーハーネス」(写真:右)もあります。)

クライミング用ハーネス各部の名前

①アイスツール用スロット
アイスクライミングをする時に使う大量のギアをラックする(ギアラック/ギアループに引っ掛けること)のにアイスクリッパーなどの拡張アイテムをセットするためのスロット。

※最初の1つとして買う場合には重要度は低い。

②ギアラック・ギアループ
カラビナやヌンチャク(クイックドロー)などの登攀用具を引っ掛けておく場所。

③ウエスト調整バックル
ベルトを通して折り返して締めこむためのバックル。

④ビレイループ
ここに確保機(ブラックダイヤモンドのATC、ペツルのルベルソなど)を取り付けて、クライマーをビレイ(確保)します。最も摩耗が激しい部分なのでダイニーマ製が主流。

⑤タイインループ
ロープを使ったクライミングの際に、ここにクライミングロープを結び付けて登ります。最も力がかかり摩耗も激しい部分なのでダイニーマ製が主流。

⑥レッグループ調整バックル
ウエストと同様にレッグループを調整するためのバックル。

⑦レッグループ
足を通す輪のこと。

⑧レッグループストラップ
レッグループが適正な位置に来るように備え付けられているストラップ。足の動きが妨げられない程度に長さを調整しておく。

クライミングハーネスの種類

クライミングや登山で使うハーネスには、用途別に大きく分けて3つの種類があります。

① スポーツタイプ

主にインドアクライミングで使う事を目的としたハーネス。

・インドアクライミングの場合はギアラックに掛けるギアが殆ど無い(シューズ、確保機、グローブ、セルフ用のヌンチャク1本くらい?)ので、ギアラックは最小限になっている。

・「軽量化」と「動きやすさ」が優先されレッグループの調整バックルが省かれている。


・全体的に薄くて、軽くて、動きやすい。

・ジムと岩場でのクライミングがメインの山仲間はこのタイプを良く使っている。

左:ブラックダイヤモンド ソリューション 右:ペツル ヒューロンドス

② オールラウンドタイプ

岩場やマルチピッチ、トラッドクライミング、アイスクライミングなどを目的としたハーネス。

一番使われることが多い一般的なクライミングハーネス。

・岩場やマルチピッチのクライミングには、クイックドロー、スリング、カラビナ、など多くのギアが必要なのでギアラックが充実している。

・シーズンを通して使用できるように、ウエストベルトが両引きになっていて冬場に厚着をした時にも対応出来たり、雪が付きにくい素材を使っている物もある。

・インドアでの使用も特に問題はなく、外の岩がメインでジムに練習に来る人はこのタイプをそのままジムでも使っている人が多い。

左:ペツル アキラ  右:ブラックダイヤモンド テクニシャン

③ 超軽量タイプ

主に、スキーツーリングや沢登り様に使用されるハーネス。

・スキーやアイゼンを履いたまま装着できるタイプ。

・非常に軽量でコンパクトになるので、補助的なハーネスと使われる。

・沢登り用の物は、保水せずに乾きやすい特徴もある。

・かなりコアなハーネスなので最初はガイドさんが持っている物を借りる時くらいしか出会う事は無いです。

左:モンベル サワークライムシットハーネス 右:ペツル アルティチュード

ハーネスの選び方 

サイズの確認

私が最近購入した、ブラックダイヤモンドの「テクニシャン」というモデルを例に説明していきます。

購入する際は、必ずお店で試着することをおススメします。

試着の前に、まず製品のサイズ表記を確認してみます。

S(ウェスト=69-76㎝、レッグ=46-56㎝)
M(ウェスト=76-84㎝、レッグ=51-61㎝)
L(ウェスト=84-91㎝、レッグ=56-66㎝)
XL(ウェスト=91-99㎝、レッグ=61-71㎝)

ちなみに私のお腹周りの実寸は84㎝。サイズでみると、ちょうどMサイズとLサイズの間です。

この場合は大きい方のLサイズを選びます。

なぜなら、84㎝というのはTシャツなど薄着でのサイズなので、例えば雪山に行くときの様に何枚もウエアを重ね着した時には、3㎝~5㎝程サイズアップするからです。

今回の購入の目的が、「通年使えて、ジムでも外岩でもマルチでもアイスでも使えるオールランドタイプが欲しい」だったので、大きい方のサイズを選びました。

もし、購入目的が「ジムで攻めるためのハーネスが欲しい!」だったら、小さい方を選んでより軽さを追求するのも良いと思います。

試着時のポイント

ベルトの適正な締め具合は?

ハーネスを履いてみたら、先ずはしっかりと調整ベルトを締めます。

目安は、写真の様に指を通してみてスッと入る程度が丁度良いです。両手を重ねて入る様では緩すぎです。

締めすぎても動き憎いですし、逆に緩くても腰からハーネスが抜ける可能性もあるので、適度な締め具合をしっかりと覚えておくことが大切です。

調整ベルトの余り具合

次に確認するのは、調整ベルトの余り具合です。

これがバックルの直前くらいまで短いと、急激な荷重がかかった時にすっぽ抜けてしまう可能性が高くなるので、目安として余ったベルトを通すベルトループから出るくらいであれば安心です。

この時、雪山用のウエアを着た事想定して、3~5センチの余裕を見る事も忘れずに覚えておきましょう。

実際に動いてみてどうか?

ここまでがクリア出来れば、あとは足を上げてみたり、深く座り込んだりして、動き憎さが無いかどうかを確認しましょう。

本当は、荷重がかかった時の腰回りやレッグループのクッション感も試せれば一番良いんですが、お店だと難しいのが残念です。

ハーネス装着時の要確認ポイント

これは実際に岩場に出ても重要な事なので、最後に追記しておきたいと思います。

先ずは下の写真を見て下さい。

おそらく普段からハーネスを使っている方なら、パッと見て違和感に気付くと思います。正解は右足のレッグループのベルトが捻じれていますね。

この状態を後ろから見るとこうなります。

レッグループストラップが捻じれています。

この状態だと、もともと設計された通りのハーネスの性能が発揮されません。
堕落時に足に食い込んだり、激しい落ち方をした時には衝撃耐性にも影響が出て来ます。

ジムや岩場に出かけて、最初にハーネスを付けたら必ずレッグループストラップが捻じれていないかどうかを確認しましょう。

合わせて、ウエストベルト、レッグループのベルトがキチンとバックルで折り返されているかも確認します。

まとめ

ここまで読んで頂ければ、山道具屋さんに行ってアタフタせずに店員さんと相談しながら、自分に合ったハーネスを探すことが出来ます!

クライミングを行うために欠かせないアイテムなので、しっかりと選んで購入して、クライミングを楽しく安全に楽しみましょう♪

最後に、回りの仲間が使っているおすすめのハーネスをいくつか紹介します。

おすすめのハーネス

・ブラックダイヤモンド テクニシャン

ジム、岩場、マルチピッチ、アイスと何でも使えるバランスの良いハーネス。
ギアラックは5か所、アイス用のスロットも4か所付いています。

程よいクッション性もあり、特に岩場でルートを探りながら登るときなど、長くぶら下がる場面や、ビレイをしていて長くテンションを掛けている時などに、食い込み、締め付けが少なく快適です。

・ペツル ヒューロンドス

ジムと岩場をメインにしているクライミング仲間が使っているハーネスです。

とてもシンプルな作りで、レッグループの調整バックルも省かれているので足上げなどの動きに干渉しないのが良いところ。レッグループが太もものサイズに合いさえすれば、ジムメインの方にはおススメのハーネスです♪

・カンプ アルパインフラッシュ

私が、マルチピッチや沢登り、アイスクライミングを伴うルートでメインに使っているハーネスです。ギアラックは後ろの物も入れて5か所。アイスクリッパー用のスロットも4つ付いています。

名前の通り、軽量でアルパイン向けのハーネスです。
もちろんジムや岩場でも使えるので、2つ目に買う時には視野に入って来るハーネスだと思います。