前編はこちらからどうぞ ↓↓↓
クライミングノート
大野道場入門、後編です。
今回は自己脱出など、ちょっとむずかしい内容に挑戦です!
・墜落衝撃の体験
・登り返し
・ビレイヤーの自己脱出方法
・意識を失ったクライマーの救出
前編にひきつづき、備忘録もかねて教わったことを書いて行きたいと思います。
墜落衝撃の体験
クライマーが墜落したとき、ビレイヤーにもかなりの衝撃がかかります。
ビレイヤーがよろけたり引きずられてしまっては、その分クライマーが落ちる距離が伸びてしまいます。
墜落を最小限にとどめるためは、ビレイヤーがセルフビレイをとる事が有効。
それを実体験するために、大型のタイヤ2個をぶら下げた大野さんお手製の墜落体験マシーンにみんなで挑戦しました。

大野さん特製の衝撃体験マシーン!67キロ
教わったことメモ
・登っている時にあまり引きすぎてもクライマーが登りにくいので、ロープはある程度たるませておく。
・ビレイをする時は、墜落時に引っ張られる方向に対して正面を向いておく。
・クライマーとビレイヤーの体重差に気を付ける。体重差が大きいときには太いロープを使ったり、セルフビレイが有効。
登り返し
「登り返し」とは、懸垂下降中にロープが足りなくなり、下まで降りる事ができなかった場合などに、ロープを伝って降りた分を登り返すことをいいます。
この練習はとにかく腕力を使ってキツかった!!!

教わったことメモ
・プルージックコードをロープに巻き付けて、カラビナを掛けてスリングを通す。
・最初のプルージックの下に、もう一つコードを巻き付けてビレイループにカラビナで掛ける。
・最初に掛けたスリングに足を掛けて立ち上がり、お腹のテンションが抜けたらプルージックを上にズラす。
・今度はお腹のプルージックに体重を掛けて、足のプルージックを上にズラす。
・また立ちあがって、お腹のプルージックを上にズラして・・・の繰り返し。
ちなみに、プルージックコードを使うやり方は一番体力を使うとのことで、プルージックコードの代わりに、ビレイループ側を確保機にしたり、足側をアッセンダーにすると比較的楽に登り返せます。
ビレイヤーの自己脱出
「ビレイヤーの自己脱出」とは、ビレイ中にクライマーが墜落したり落石を受けたりして気を失ってしまったり、身動きが取れない状況になった場合に、ビレイヤーがビレイしているロープを固定して自由に動けるようになることを言う。

教わったことメモ
・確保機から伸びているビレイヤー側のロープを結んで固定して、両手をフリーにする。
・テンションがかかっているクライマー側のロープにプルージックコードを巻き付け、カラビナとスリングを使って、岩や支点などと繋ぐ。
・最初に結んだループを解いて、ロープのテンションをプルージックに移す。
・メインロープの端を岩や支点などに固定し、プルージックからメインロープにテンションを戻す。
手順が複雑なので、1回では出来ないと思いますが理屈が解ってしまえば、手元にある道具でどうやったら固定できるか解るようになって来ます。
とにかく反復練習だ!と大野さん。
クライマーの救出
ビレイヤーが自己脱出できたら、今度はクライマーを下におろします。
とにかく手順が複雑なのですが、やはり理屈が解ってしまえばその場で考えながら出来るようになるので、これも要反復練習。

演技中の自分、岩場でリアルにこうはなりたくない・・・(汗)
お教わったことメモ
・上から懸垂下降でクライマーの所まで降りる。
・確保機の下に伸びているロープを結んで固定し、両手をフリーにする。
・気を失っているクライマーの意識確認と、怪我の状態を観察。
・クライマーを抱きかかえ、クライマーと自分のビレイループをカラビナなどで繋ぐ。
・長めのスリングをクライマーの上半身と自分の上半身に回すなどして、クライマーの体を安定させる。
・クライマーを抱えた状態で、ナイフを使ってクライマーのロープを切断する。
・固定してあった自分の確保機の下のロープを解いて、懸垂下降で下までおりる。
このほかにも、ザックとストックを使ってけが人を背負う方法だったり、ストックで折れた足を固定する方法など、本当に色々と教えて頂きました。
まとめ
そもそも、こういった事を知っていないと「いざという時に困る」こと自体を知らずに、解らずにクライミングをしている方も多いです。
一緒に登る仲間のためにもお互いに解っておいた方が良い内容です。講習会などでぜひ身に付けておくことをおススメします。
おすすめのクライミング教本
色々なガイドさんからおすすめされるのが、この本。
私も事あるごとに読返しながらクライミングを覚えました。
絵もキレイで解り易いです。
行き成り読むよりは、現場でやりながら読んでいくと、より解り易いです。